トリックテイキングってなに?

ボードゲーム,用語

トリックテイキングとは、カードゲームのルールの一つです。
基本的にはトランプを使ったゲームが多く、かなり昔から存在する一大ジャンルです。
とはいえ一般人からすると、トランプといえば旅行の暇つぶしに七ならべや大富豪(大貧民)をちょっとやるぐらいで、トリックテイキングはまったく馴染みのないゲームだと思います。

そもそもトリックテイキングは、多くの人が馴染みのあるゲームルールとは異なるルールが採用されているので、初めてルールを聞いても全然ピンとこない人が多いです。

用語紹介

トリックテイキングでは、専門用語がそれなりにあるのでまずは用語を整理しましょう。

用語 意味
トリック 1ラウンドの呼び方。各プレイヤーが手札からカードを出し、出されたカードから勝者を決めるまでを指す。
テイク トリックで勝つこと。テイキングやテイクするとも言う。
マストフォロー トリックテイキングを象徴するルール。詳細は後述。
スート トランプで言うところのマーク
スートはトリックテイキングの用語というよりはトランプ用語
ランク トランプで言うところの数字
トリックテイキングでは2が最弱でAが最強であることが多い

ざっくりしたルール説明

トリックテイキングと一括りに言っても、ゲームごとに微妙にルールが異なります。
あくまでベースとなるルールを説明します。

ゲームの準備

ゲームの準備は一般的な大富豪などと同じ流れです。
強いて言うなら、配る枚数はゲームごとに異なります。

  1. トランプを裏向きにして適当にシャッフルします
  2. 各プレイヤーに同じ枚数を配ります
  3. 各プレイヤーは自分以外のプレイヤーに見えないように配られたカードを確認します

ゲーム開始

ここからが1トリックの流れです。

  1. 親が自分の手札からカードを1枚表向きに出します
  2. 次のプレイヤーも同様にカードを1枚表向きにして出します
  3. 全員必ず1枚を表向きにして出したら、ゲームのルールに従いトリックの勝者を決めます(例えば、一番数字が大きな人、など)
  4. テイクした人が次のトリックの親になります

ここまでが1トリックです。
そしてまた1に戻り、手札がなくなるか条件を満たすまで続けます。
最もテイクした人がゲームの勝者となります。

ここで大事なのは、親プレイヤーは基本的に好きなカードを出すことが出来ますが、それ以外のプレイヤーはマストフォローというルールに従わなければならない、ということです。
また、カードは必ず1枚だけを出します。2枚だしてもいけませんし、出さないということも出来ません。

マストフォローについて

マストフォローとは、親以外のプレイヤーは親が出したスートと同じスートのカードを出さなければならないというものです。

例えば、親が ♥4 を出した場合、それ以外のプレイヤーは手札に ♥ を持っていたら必ず ♥ のカードを出さなければなりません。複数持っている場合は、出すランクに決まりはありません。好きなランクの ♥ を出せます。

♥ を持っていない場合、好きなカードを出すことが出来ます。というより、なんでもいいので1枚出さなければなりません。
ただし、そのトリックでテイクすることはできません。トリックを降りたことになります。

トリックテイキングの楽しさ、難しさ

基本的なルールは以上となりますが、そもそもトリックテイキングの面白さってなんでしょう?

私が思うに、トリックテイキングはゲーマーズゲームです。
なのでトリックテイキングが好きな人は、実力がゲームに影響を及ぼしやすいという点に魅力を感じていると思います。
トリックテイキングに必要な技術は、カウンティングとブラフが主です(多分)。
マストフォローのおかげで、誰がどのスートを持っている/いないということが明確にわかります。
また、基本的に場に出したカードを手札に戻すことはないので、一度使ったカードは二度と場に現れません。
このため、強くなりたければカウンティングは必須であり、自分の実力が直接出やすいのです。
逆に言うと、上級者同士で遊ぶとカウンティングは当たり前で、それを狂わせるためにブラフを使い心理的な戦いにもなっていきます。

こういった要素がゲーマーに好まれる所以ではないでしょうか。

それでも私はトリックテイキングが好きではない

私はあまりトリックテイキングが好きではありません。
このゲーム、とにかく一般受けしないのです。

例えば、

  • マストフォローに納得が出来ない
  • パスが出来ないことへの不満
  • 適当にカードを出すだけだと楽しみを見いだせない

などなど。
特に、ほぼ毎回マストフォローについては聞かれます。
「もし、親が出したマークを持っていることに気づかずに他のマークを出したらどうなるの?」と。
マストフォローのような「プレイヤーの暗黙的な善意」に基づくルールは、慣れていない人からすると相当な違和感につながるようです。

気心の知れた、互いを高めあうようなゲーマーな友人とやる分には最高のゲームだと思いますが、みんなでワイワイゲームしよう、といったときに選択するゲームではありません。
わざわざトランプを持ち出して、ルールに欠陥があるようなゲームを新しく覚えるというのはおそらく苦痛でしょう。それなら七ならべでいいじゃないか、と。

代表作を紹介

トリックテイキングは、トランプでやるものが一番オーソドックスで、かつプレイしやすいと思います。
トランプでやるトリックテイキングの代表といえば

  • ナポレオン
  • ブラックレディ
  • コントラクトブリッジ

あたりでしょうか。

トランプ以外だと、操られ人形館のとりっく&でざーとが有名でしょうか。

いくつか紹介しましたが、好きな人はとことん好きなゲームなので、亜種はたくさんあります。
亜種がありすぎてトリックテイキングと呼んでいいのか微妙なゲームもあります笑
(大富豪はトリックテイキングに近いですが、厳密には違うなどなど)

ボードゲーム好きなら一度は遊んでみてはいかがでしょうか。